チャンネルミキサーで特色2色画像を自在に操作
Adobe CS2【完了】
【過去記事】プロファイル作って2色印刷
その追記というか、こうやると便利ってのをひとつ。
2色印刷用の画像作成は、RGB→CMYK変換の際に、墨版なしにするというのがセオリーでした。
「編集」→「カラー設定」でCMYKの項目を「カスタムCMYK...」に変更。色分解オプションの「墨版生成」を「なし」に。

こうやっておくとK版に振り分けられる色がCMYの方に振り分けられるので、Y版を消去してCM版のみになったときに深みがでるんです。
長いことこの方法を使って2色用画像を作ってきましたが、Photoshopの調整レイヤーに「チャンネルミキサー」というのものが加わりました。これを使うと、墨版生成をなしにかえる手間もいらず、スキャニングもRGBで行わずCMYKでスキャニングしてもいいし、何より手軽に変更&調整が可能になります。
サンプルとして画像を用意。これをチャンネルミキサーを使って二色用画像を作っていきます。

素材集からのサンプルですが、普通にCMYK変換します。
上画像のヒストグラムです。

墨版にもちゃんと色あります。
レイヤーパレットから調整レイヤーを作成します。新規調整レイヤー作成ボタンを押して「チャンネルミキサー」を選択。

出力先チャンネルを「イエロー」にかえます。イエローのスライダーが「+100%」になってると思うので、それを「0%」に変更します。

これでY版はなにもない状態になります。
画像の変化。

がらっと変わります。
ヒストグラムの変化。

Y版が消去されてるのが分かります。
次に、出力先チャンネルから「ブラック」を選択。
ブラックの項目が「+100%」になってるので、「0%」に変更します。

変更後の画像

墨版がなくなってちょっと薄っぺらい画像に。
ヒストグラム。

K版がなくなっています。
これで、C版、M版のみの画像となりました。
これだと普通の二色用画像作成と似たような画像なわけなんですが、ここからがチャンネルミキサーのすごいところです。チャンネルミキサーを使うと、消去したY版、K版のデータをC版、M版に持ってこられるんです。CMYKのそれぞれのチャンネルの混合比を変更できる…それがチャンネルミキサーなんです。
チャンネルミキサーを使うとK版、Y版のデータをなしにできるから、RGB→CMYK変換の際に墨版生成なしに変更しなくてもいいのがメリット。そして、最大のメリットは、墨版をC版、M版にミックスできることなんです。
先ほど作った2色用データをいじってみました。ソースチャンネルのスライダーを動かして混合比率を変えてみます。

こんな感じでイジイジします。
変更結果一例。

もう一例。

当然のことながら調整レイヤーなのでいつでも変更可能です。クライアントさんから画像の修正指示あってもへっちゃらです。従来のやり方よりも簡単で、しかも好みの色が作れちゃいます。
さてさて、ここからちょっと組み合わせ技やってみます。
以前↓
【過去記事】プロファイル作って2色印刷
で作った特色シミュレートプロファイルを適用してみます。シアン版に青、マゼンタ版に緑を割り当てたものです。
さっき作成した画像に適用してみます。

おかしくないと言えなくもないけど、ものすごく微妙な感じの画像。
こんな時、チャンネルミキサーの本領発揮です。特色印刷後の仕上がりをみながら色を調節できるので、脳内変換しながら作成するよりずっと正確で効率よく画像を作成できます。
一例を。

こんな感じで、いつでもどんなふうにでも変更できるのがチャンネルミキサーのすごいところです。特色の場合仕上がりの予測が難しいんですが、特色をシミュレートしたプロファイルと、チャンネルミキサーさえ使えば無敵な感じです。
このチャンネルミキサーはグレースケール画像を作成するときにも使えますよ。それぞれのソースチャンネルの混合比を変えれば、他のツールにはできない調整が可能です。
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